フレイルの見分け方
- みなさんは自分がフレイルかどうか見分ける方法をご存じでしょうか。
第1回で触れたように、「身体的フレイル」「精神的・心理的フレイル」「社会的フレイル」
の3つが影響し合ってフレイルが悪化していきます。
特に身体的フレイルは、運動不足や年齢を重ねることでサルコペニア(筋肉量減少)となり、そのまま放置することでロコモティブシンドローム(運動器(※)の障害)を起こす原因になることがあります。
さらには ロコモティブシンドロームになると 転倒などを恐れて外出がおっくうになり、
家に閉じこもりがちになって、ますますフレイルを加速させてしまいます。
こうしたフレイルの悪化を避けるにも 現在のご自身がどのような状態か知っておくことをおすすめします。
※運動器とは、骨、筋肉、関節、神経などのこと。運動器はそれぞれが連携して働き、身体活動を支えています。
フレイルチェックの方法
身体的フレイルの診断基準(日本版CHS基準)
身体的フレイルの診断として、世界的な基準(FriedらのCHS基準)を、国立長寿医療研究センターが日本の高齢者に合った指標に修正した「日本版CHS基準(J-CHS基準)」が用いられています。
指輪っかテスト
筋肉の衰えが気になる方は、東京大学高齢社会総合研究機構発案の「指輪っかテスト」で筋肉量をチェックしてみましょう。計測器は使わずに、自分の指を使う簡易型のチェックです。
イレブン・チェック
東京大学高齢社会総合研究機構発案のイレブン・チェックは、身体面だけでなく、栄養(歯・口腔)や社会参加の面からもフレイル度を確認することができます。フレイルの兆候があるかどうか11の項目に答えてみましょう。
フレイル予防対策として
体組成計測定
体組成計は、電流を利用し人の体を組成する筋肉量や体脂肪、骨量などを計測する機器です。
最近では精度のよい体組成計が手に入りやすくなっています。また、無料で測定を行っている場もあります。機会があれば、自分の筋肉量がどのくらいなのかを確かめてみましょう。
特に下半身の筋肉量低下はフレイルに繋がりやすく、早めの対策必要です。
握力
握力が弱くなる=握る力が弱くなっただけでなく、全身の筋肉量が減っている可能性があります。
・ペットボトルの蓋が開けにくくなった。
・袋が開けにくくなった。
・雑巾が絞りにくくなった。
などの自覚症状はありませんか。 上記のような症状のある方は、体を動かす機会を今より10分増やすようにしましょう。
みなさんはいかがでしたか。
フレイルの可能性があるとわかっても、悲観することはありません。
フレイルは早めに気付き、ご自身の生活習慣を見直すことで進行を抑制し、健康な状態に戻ることができます。
自分の状態を知ることから始めましょう。